第108話「正論」

概要

憲兵団の面々がマーレ人の捕虜が働くレストランで食事をしながら島の情勢について話している。義勇兵の拘束は憲兵団がやるはずだったがピクシス司令が担当することになった。憲兵団の提議は、ジークをパラディ島に連れてきた直後、巨人にしたヒストリアに食わせる、というものだった。

ナイルによれば、ヒストリアのお腹の子の父は、レイス領出身で孤児院で働く男。ローグの推理では、イェレナがヒストリアに「兵団がヒストリアを巨人にしてジークを食わせる予定」であると告げ口し、妊娠することで巨人化をしばらく免れるとアドバイスした。

憲兵団の体質は昔と根本的に変わっていない様子が伺える。そして、おかわりを要求された給仕に、ニコロが怪しいワインを渡そうとしている…。

揺れる104期。レベリオ襲撃から帰ってきてすぐエレンは収監されているので彼らが接触する機会は皆無。エレンに対して不信感を抱いている様子。コニーはサシャを失ったこともあってピリピリムード。ミカサはエレンを庇うため思い出話を始める。

1年前の回想…エレンは104期を引き連れ、“自ら進んで"鉄道を敷く作業中。つまり、エレンも島の平和な発展を望んでいたに違いないということ。

当時、パラディ島は「地鳴らし」以外の別な方法を模索していた。そこで世界の国々と友好的に国交をするため、仲介役をヒィズルに依頼していたが、交渉決裂。振り出しに戻ってしまった。そこでハンジは自分たちから海外へ遠征しようと提案…。

パラディ島も平和的な外交を進めるため、それなりにもがいていた模様。アルミンの「こっちから働きかければ相手もいつかわかってくれる」的な意見にも、エレンは「時間さえあれば…」と一定の理解を示している(逆に時間が最大の焦点でもあるが)。

そして話は、「エレンの巨人継承者問題」へ。104期はみんな自分が継承すると名乗り出るが、エレンはみんなが大事だから継承させるつもりはないと言う。顔を真っ赤にして照れる一同。

…回想が終わり現在へ。それでもジャンとコニーのエレンへの不信感は収まらない。大事な仲間を戦いに巻き込んだ上に、サシャが死んで、その時笑ってた等々…

アルミンはエレンと話し合う機会を設け、意志を確認すると宣言。アルミンの推測では、ジークの思惑が何であれ、2人が揃ったとき最終的にどうするかは始祖の巨人を持つエレンにかかってる。だから、決定権を持つエレンが自分たちと同じ目的を持っているのであれば何ら問題ない。しかし、ジークとエレンの目的が同じだった場合、兵団は別の人間を巨人にしてエレンを食わせるはず…。驚愕するミカサ。

脱獄して逃亡中のガビとファルコ。ジークに裏切られショックを受けたガビは錯乱状態。ファルコが目立つからとガビの腕章を勝手に外したところブチギレ。騒いでいるところを謎の少女に発見される。少女は「お腹減ってるでしょ?家に来たら?」と言うが…。

マーレ軍本部。レベリオ襲撃現場検証の結果、ジークの裏切りが確定。マーレは主要国と同盟を組むことにった。マガトは半年以内に世界連合軍でパラディ島へ攻め込むことを宣言するが、ライナーが反発。それでは遅い、ジークの思うつぼ。さっさとマーレだけで奇襲を仕掛けるべきだと提言。

この回で張られていた伏線

マーレ産のワイン

ナイルやローグが食事していた際に飲んでいたマーレ産のワイン

ヒストリアに助言したのは誰?

ヒストリアに妊娠するように助言したと思われる黒い服を着ている人物は誰?

エルディア人の人権擁護団体

ハンジのセリフ「エルディア人の人権擁護する団体はあるにはある」

トロッコ問題と一本道

エレンが「お前らが大事だからだ」と言ったときに104期メンバーが乗っていたトロッコ

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小ネタ・擬音

ズズリィ

擬音

ズズリィ → ?

内容

ローグがワインを飲む音。とりあえず普通ではない。

バタシ

擬音

バタシ → インドの村。または映画「バタシの鬼軍曹」(アフリカ共和国のバタシが舞台)から?

内容

ニコロのレストランにて、グリーズが扉を閉める音

バアシャ

擬音

バアシャ → バーシャ。人名 Baasha ロシア、ポーランド、レバノンなど

内容

ガビが川の水で顔を洗う音

ゴクウ

擬音

ゴクウ → 悟空。西遊記、ドラゴンボールの主人公。

内容

ガビが川の水を飲む音

エド・シーラン

擬音

エドシーラン → エド・シーラン Ed Sheeran イギリスのシンガー・ソングライター。

内容

ガビがファルコを大外刈り的に投げたときの音

バッチィ

擬音

バッチィ → ばっちい。汚いという意味の幼児語。

内容

ファルコがガビから石を取り上げたときの音

所感・考察

命令の決定権は「始祖の巨人(エレン)」にある?

アルミンのセリフ

かつてエレンが一度だけ「始祖の力」を発動させた時、「王家の血を引く巨人」であるダイナの巨人は群がる巨人に食われた。

それはダイナの意志ではなくエレンがそう望んだからだ。

つまり、ダイナの巨人は「始祖の力」を呼び出す触媒であっても命令を下す方ではない。

命令を下したのは始祖を持つエレンだ。この仕組はエレンとジークにも当てはまるはず。

—-だとすれば、ジークが何かを企てていたとしてもエレンが望まない限りそれは叶わない。

だから決定権を持つエレンさえ僕らと同じ目的であれば何も問題は無いんだ。

兵団の思惑(アルミンの推測)

巨人化の薬を入手した兵団には…選択肢がある。

信頼できる他の誰かを巨人にして、エレンの「始祖」を継承させるつもり。

単行本、別冊マガジン掲載時の情報

タイトル

第108話「正論」

A Sound Argment
公開
別冊少年マガジン:2018年9月号
発売日:2018年8月9日()
コミックス
発売日:2018年12月7日()

サブタイトル「正論」の意味

ヒストリアにも自由があるというナイルの主張。黙秘するエレンから巨人を別な人間に移すつもりの兵団。万全を期すために世界連合の集結を待とうとするマガト。

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